従業員・社員を初めて雇用する際に必要な手続きのまとめ

従業員を雇用した時の手続き ビジネス

会社として人を雇用する際は、様々な法律に基づくルールを守らなくてはなりません。
特に2019年度からは有給の義務化など、従業員の働く環境を向上していこうという温度が年々高まってきています。

そんな時代に入ったからこそ、従業員を雇用する際は、軽く考えずに何が必要なのかをまとめて、しっかり手続きを踏みましょう。

※私が最初従業員を雇用したときは、既に出さなといけない書類は出してないわ、期限過ぎてるわ、大変でした。それでも何とかなりますのでご安心をw

従業員を雇用してからの流れ

従業員を雇用してからの大まかな流れは以下のようになります。

① 労働契約を結ぶ
② 社会保険関係の届出
③ 勤怠管理
④ 給与の支払い

①労働契約を結ぶ

採用する従業員が決まったら、まずは労働条件を書面で提示し、労働契約を結びましょう。
賃金や業務内容は従業員ごとに異なったりします。そのため、各従業員にどんな労働条件かを書面で明らかにしなければなりません。
労働条件通知書の作成・明示は義務化されているのです。
(2019年度から電磁的方法による労働条件の交付が認められます。)

労働条件通知書はこちら ※厚生労働省ホームページより

労働条件通知書をプリントアウトしたら、『労働条件通知書 記入例』と検索しましょう。
記入例を見ながら、働く従業員の労働条件を記入していきましょう。

ただし、労働条件は自由に決められるわけではありません。
労働時間や最低賃金にルールがあるように、労働基準法に沿って、その中で決めなければなりません。
※労働基準法の押さえておきたいポイントはこちら

②社会保険関係の届出

まずは大きく分けて2種類の保険があります。

・社会保険
・労働保険

社会保険料は会社と従業員で折半します。労働保険料(労災保険料は会社が全額負担し、雇用保険料は一定の割合で従業員と会社で負担)します。

順番に見ていきましょう。

社会保険

社会保険

会社を設立すると、社会保険への加入が義務づけされます。社長1人の会社でも同様です。
社会保険は主に2つあります。(40歳以上は介護保険もあり)

【健康保険】
加入者やその家族が仕事以外の原因でけがをしたり、病気をしたときに医療給付を行うもの。
つまり加入者本人からしたら、会社から健康保険証が発行され、病院代の自己負担が減り、安くなりますよ。という事です。

【厚生年金】
加入者が一定の年齢になったとき、けがや病気で働けなくなったり、死亡したりしたときに年金給付を行うもの。つまり、将来もらえる予定の年金ですね。

では上記の2つがあると分かったところで、順番にみていきましょう。

①社会保険の加入要件

健康保険と厚生年金の加入要件は同じなので同時に手続きするとよいでしょう。

[会社の加入要件]
・従業員の数に関係なく強制加入。
(会社が加入するの?と思うかもしれませんが、そういうものだと思って下さい。これにより会社で働く従業員が社会保険に加入できるようになります。)

[従業員の加入要件]
・会社が社会保険の加入事務所(適用事務所)であること。
・正社員もしくはパート、アルバイトでおおむね正社員の4分の3以上の労働時間があること。

②社会保険の手続き

さあ、問題は手続きですね。しかし、社会保険の手続きは書類さえ準備できれば簡単です。

社会保険の加入手続きは年金事務所で行います。
会社が社会保険の加入事務所になったことと、誰が加入者(被保険者)になるかを知らせるために手続きを行います。

まずはあなたの会社が、どこの年金事務所の管轄なのかを調べて確認しましょう。
※近くの年金事務所に電話すれば教えてくれます。

確認が出来たら次の3つの書類から必要なものを記入して年金事務所へ届け出ましょう。

A.[健康保険・厚生年金保険新規適用届]←本来であれば既に提出している書類でしょう。
◇目的 → 会社を設立したら、社会保険の適用事務所となるために必ず提出する。
◇提出期限 → 会社設立から5日以内。

B.[健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届]
◇目的 → 加入者となる従業員の情報を年金事務所に伝えるため。
◇提出期限 → 加入者を雇ってから5日以内。

C.[健康保険被扶養者(異動)届]
◇目的 → 加入者の被扶養者(配偶者や子供)を加入させるため。Bと一緒に提出する。
◇提出期限 → 加入者を雇ってから5日以内。

上記のA.B.Cの書類はネットでダウンロードも出来ますし、年金事務所でもらっても大丈夫です。
ただ、年金事務所へ何度も行く手間を防ぐために、分かる範囲まで記入して年金事務所へ持っていき、教えてもらいましょう。印鑑も忘れずにね

社会保険のまとめ

社会保険は健康保険と厚生年金があり、加入が必須となってきております。
まずは上記の書類を記入して、管轄の年金事務所へ電話し、持ち物の忘れがないか確認して、年金事務所へ手続きに行きましょう。(登記簿謄本は持っていきましょう)

慣れてきたら、わざわざ年金事務所まで行かず済む、電子申請がありますので、そちらを利用してもいいと思います。

労働保険

労働保険

次に労働保険です。労働者を雇う会社は、すべて労働保険に加入する義務があります。
労働保険には以下の2つがあります。

【労災保険】
従業員が仕事中に事故や災害にあって、けがや病気をしたり、死亡したりしたときに給付金を支給するもの。

【雇用保険】
従業員が失業したりしたときに給付金を支給したり、再就職支援をしたりするもの。

①労働保険の加入要件

労働保険も加入要件は同じなので労災保険、雇用保険共に同時に手続きするとよいでしょう。
※取締役は原則、労働保険の加入はできません。例外あり。

[会社の加入要件]
・従業員が1人でもいたら加入。(労災保険は強制加入)
※労働保険は強制加入と思っておいたほうが良いでしょう。

[従業員の加入要件]
・会社が雇用保険の加入事務所(適用事務所)であること。
・雇用期間の見込みが31日以上で、かつ1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

②労働保険の手続き

労働保険は社会保険とは違い2か所にそれぞれの書類を提出します。
提出の順番があるので、二度手間にならないよう、覚えておきましょう。
先に労働基準監督署、次に公共職業安定所(ハローワーク)の順番です。
提出先ごとに必要な書類を3つまとめておきます。

A.[労働基準監督署に届け出るもの]
『労働保険保険関係成立届』
◇目的 → 会社が労働保険の適用事業所となるためのもの。
◇提出期限 → 従業員を雇用したらすぐに届出よう。その後控えを公共職業安定所へ持っていきます。

B.[公共職業安定所(ハローワーク)に届け出るもの]
『雇用保険適用事業所設置届』
◇目的 → 会社が雇用保険の適用事業所になるためのもの。
◇提出期限 → 加入者を雇ってから10日以内。

『雇用保険被保険者資格取得届』
◇目的 → 従業員が雇用保険に加入するため。この書類は1人1枚ずつ届け出が必要。
◇提出期限 → 加入者を雇用した日の翌月10日まで。

労働保険のまとめ

労働保険には労災保険と雇用保険があり、取締役は原則加入できませんが、従業員には加入必須の保険となっております。
社会保険同様、まずは上記の書類をわかる範囲で記入して、順番を間違えずにいきましょう。
先に電話して持ち物を確認するといいです。但し、ハローワークの担当部署は電話繋がりにくいです。(登記簿謄本は必ず持っていきましょう。)

こちらも慣れてきたら、電子申請がありますので、そちらを利用してもいいと思います。

③勤怠管理

さあ、従業員の各役所への手続き関係がやっと終わりましたね。
ここからは、実際にやりながらどんどん改善をしていけば大丈夫だと思います。

【労務管理の法定三帳簿】
これ聞いたことありますか?別に聞いたことなくても全然大丈夫ですw
勤怠管理はひとまずこの労務管理の法定三帳簿をしっかり記入・保管しておけば大丈夫です。

労務管理の法定三帳簿とは

【労働者名簿】
労働者全員の氏名・住所・従事する業務の種類・雇用した年月日などを記録して保管するもの。

【賃金台帳】
氏名・性別・労働日数・時間数・基本給・手当などについて、給与を支払うたびに記録するもの
つまり従業員毎の給与の推移まとめ、みたいなものですね。

【出勤簿】
氏名・出勤日・出退勤時刻・休憩時間を記録し、労働時間の管理をするためのもの。

勤怠管理は毎日の積み重ねです。後でまとめてやろうとすると大変です。
上記の3つの帳簿もネットでどんなものか見てみるといいでしょう。

④給与の支払い

さあ、最後に給与の支払いです。
給与計算は今まで労務に携わったことがないと、場合によってはかなりしんどいでしょう。
自信がない方は給与計算ソフトを使うことをおすすめします。

給与計算は出勤簿やタイムカードを基に総支給額を決め、そこから所得税や住民税、保険料などを天引きして手取りを出さなければなりません。

まずは給与計算の流れを抑えましょう。

給与計算の流れ

  1. タイムカードなどから時間外手当などを算出。
  2. 基本給に諸手当や残業代等を足して今月の総支給額を確定。
  3. 所定の保険料率から各種社会保険の保険料を算出し、総支給額から差し引く。
  4. 源泉徴収税額表の税額を適用して、所得税を差し引く。
  5. 市区町村からの通知をもとに、住民税を差し引く。(これは後々整理してもよいでしょう)
  6. 手取り額を確定させる。
  7. 給与振り込みを行い、給与支払明細書を作成して従業員に渡す。

ざっくり、このような流れでしょう。

社会保険料は料率に基づいて従業員と会社で折半するなど、決め事が色々とあります。
エクセル等で計算式をいちど作成してしまえば、後は打ち込むだけなので簡単ですが(年度が変わった時の料率の変化に注意)、労務に詳しい従業員がいない場合は、給与計算ソフトを使用することや、社労士に依頼することをお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?従業員を雇用すると色々な手続きが必要となりますね。
しかし、やり方は色々あります。
労務に時間を割かずに、数字を作ることに専念したければ、労務スタッフを雇う、社労士に任せる、給与ソフトを活用すればいいのです。
情報の共有だけしっかりしておけば、あなたのやることは今まで以上にやるべき業務に専念できます!!

ひとまず、この記事をまとめておくと、

・従業員を雇ったら、労働条件通知書を作成しよう。
・社会保険(健康保険・厚生年金)の手続きを近くの年金事務所に届け出よう。
・労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きを労働基準監督署→ハローワークの順に届け出よう。
・労務の法定三帳簿に沿って勤怠管理を行おう。
・あなたに合った方法で給与計算を行い、支払い、明細の作成を行おう。
従業員を雇うか迷っているあなたは、きっと事業も伸びてきていることでしょう。
あるいは、事業を成長させるための大きな決断をしようとしているのかもしれません。
応援しています!!頑張って下さい!!
P.S 空は繋がっています。

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